公開日 2026年9月8日 / 最終更新 2026年9月8日
高山市・飛騨市・下呂市・白川村(飛騨地域)、多治見市・中津川市・瑞浪市・恵那市・土岐市(東濃地域)——岐阜県の北部・東部に広がるこの9市村は、空き家率も土地の坪単価も市町村ごとにかなり違います。「田舎だから空き家だらけ」「田舎だから値段が付かない」とひとくくりにする前に、公的統計と実際の成約データで市町村別の実態を確認しましょう。
令和5年住宅・土地統計調査(総務省統計局)は、住宅総数に占める空き家の割合を市町村別に公表しています(人口約15,000人未満の一部市町村は非公表)。飛騨・東濃9市村のうち、値が公表されているのは8市。県全体は16.1%です。
住宅総数に占める空き家の割合。岐阜県全体は16.1%(924,100戸のうち148,400戸)。白川村は人口規模の関係で市町村別の値が非公表。
| 市町村 | 住宅総数(戸) | 空き家(戸) | 空き家率 |
|---|---|---|---|
| 中津川市 | 38,290 | 8,610 | 22.5% |
| 高山市 | 39,070 | 8,220 | 21.0% |
| 下呂市 | 13,500 | 2,660 | 19.7% |
| 恵那市 | 21,660 | 4,040 | 18.7% |
| 瑞浪市 | 16,740 | 2,940 | 17.6% |
| 飛騨市 | 10,110 | 1,720 | 17.0% |
| 土岐市 | 25,190 | 3,990 | 15.8% |
| 多治見市 | 47,740 | 5,180 | 10.9% |
| 白川村 | -(非公表) | - | |
| 岐阜県全体 | 924,100 | 148,400 | 16.1% |
最も高いのは中津川市の22.5%、次いで高山市21.0%、下呂市19.7%と続き、いずれも県全体16.1%を上回ります。一方、東濃の多治見市は10.9%で県平均より低く、同じ東濃地域でも中津川市とは10ポイント以上の差があります。「山間部だから空き家率が高い」という単純な図式では説明できません。
当サイトが国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実際の成約価格から集計した、土地の坪単価中央値(直近2年・件数はいずれも取引件数)です。空き家の売却価格は建物の状態だけでなく、この土地の相場に大きく左右されます。
国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報(実際の成約価格)をもとに集計した中央値。平均値ではなく中央値を採用。
| 市町村 | 坪単価中央値 | 直近2年の取引件数 |
|---|---|---|
| 瑞浪市 | 12.4万円 | 92件 |
| 高山市 | 11.2万円 | 131件 |
| 多治見市 | 10.9万円 | 172件 |
| 土岐市 | 9.1万円 | 108件 |
| 恵那市 | 5.0万円 | 87件 |
| 中津川市 | 4.6万円 | 124件 |
| 飛騨市 | 3.4万円 | 28件 |
| 白川村 | 2.1万円 | 3件(少数のため参考値) |
| 下呂市 | 1.6万円 | 45件 |
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産取引価格情報をもとに当サイトが集計(2026年9月時点、直近2年の実成約データ)
坪単価が最も高いのは瑞浪市の12.4万円、最も低いのは下呂市の1.6万円で、その差は約8倍です。白川村は取引件数が3件と少なく、統計的には参考値として扱う必要があります。空き家率が高い市町村イコール坪単価が低いわけでもなく、たとえば空き家率21.0%の高山市は坪単価11.2万円と9市村中2番目に高くなっています。
飛騨・東濃9市村はすべて独自の空き家バンク(空き地・空き家バンク)制度を持っています。移住希望者などへの情報提供が主な目的で、制度の名称や運用方法は市町村ごとに異なります。
| 市町村 | 制度名 | 問合せ先TEL | 制度開始日 |
|---|---|---|---|
| 高山市 | 高山市空き家バンク | 0577-35-3176 | 2009年1月28日(H21.1.28) |
| 飛騨市 | 飛騨市住むとこネット | 0577-62-8904 | 2015年4月1日(H27.4.1) |
| 下呂市 | 下呂市空き家等紹介制度 | 0576-23-3777 | 2016年10月1日(H28.10.1) |
| 白川村 | 白川村空き家バンク | 05769-6-1311(内線132) | 2018年4月1日(H30.4.1) |
| 多治見市 | 多治見市空き地・空き家バンク | 0572-22-1321 | 2019年4月1日(H31.4.1) |
| 中津川市 | 中津川市空き家情報バンク | 0573-62-1005 | 2012年4月1日(H24.4.1) |
| 瑞浪市 | 瑞浪市空き家・空き地バンク | 0572-68-9272 | 2014年10月1日(H26.10.1) |
| 恵那市 | 恵那市空き家バンク | 0573-26-6811 | 2010年10月1日(H22.10.1) |
| 土岐市 | 土岐市空き家バンク | 0572-54-1111(内線357) | 2014年4月1日(H26.4.1) |
出典:岐阜県「市町村空き家バンク実施状況」(制度名・連絡先・開始日は同資料に基づく。最新の運用状況は各市町村窓口でご確認ください)
① 積雪地域は管理コストが積み上がりやすい:高山市・飛騨市・下呂市・白川村など標高の高いエリアでは、屋根の雪下ろしや除雪など、平地の空き家にはない管理コストがかかります。管理が滞ると老朽化も進みやすく、資産価値の低下につながります。
② 空き家率が高い=売れない、ではない:図1・図2で見た通り、空き家率が21.0%と高い高山市でも土地の坪単価は9市村中2番目の高さです。観光需要や古民家需要など、地域ごとの事情によって評価は変わります。
③ 特定空家のリスクは山間部でも変わらない:固定資産税の住宅用地特例が解除されるリスクは、飛騨・東濃エリアの空き家にも同様に当てはまります。詳しくは空き家の買取・売却ガイドで解説しています。
④ 空き家バンクと買取査定は「掲載」と「価格」の役割が違う:空き家バンクへの登録を検討する場合も、まずは無料のAI査定で現状の価格を把握しておくと、その後の判断がしやすくなります。
出典:岐阜県「令和5年住宅・土地統計調査結果」市町村表1/岐阜県「市町村空き家バンク実施状況」/国土交通省「不動産情報ライブラリ」不動産取引価格情報(本サイトの実成約データ集計)/国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」(2026年9月時点。制度の詳細および最新の運用状況は各機関・各市町村の公表内容をご確認ください)
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